後輩を指導する前に知っておきたいこと|自分の成長と捉えるべし

社会人になりキャリアを重ねていくと、新入社員や後輩の指導を任されるようになります。

後輩指導は後輩のスキルアップ・成長だけが目的ではなく、指導者自身の成長にも大きく繋がっていきます。

 

しかし、はじめての後輩指導はもちろんのこと、後輩指導は何度取り組んでも難しいという声をよく耳にします。

この記事では、指導する側の社員の成長や、成長するためのポイントについて詳しく説明をしています。

 

\この記事はこんな人に読まれています/

  • 初めて後輩指導をする人
  • 後輩指導が苦手な人
  • 後輩指導の方法を知りたい人

 

ーこの記事の監修者ー

福永寿徳福永寿徳(ふくなが ひさのり)
フラップスプラン株式会社 代表取締役
コミュニケーションプランナー
コーポレートサイト→https://flapsplan.co.jp/
運営メディア→https://oneness-gcl.com/

(株)LPNでコーチング・マネジメントを学び、独自戦略で健康器具ストレッチポール®を日本中に広める。その後独立起業し、コミュニケーション専門の参謀として全国の歯科医院から某有名ベンチャーまでマネジメントチームの構築に携わる。経営者の思考を整理し自立した「売上をあげる」チームを共に創るスタイルに定評があり、成長したい経営者からの相談が絶えない。

 

後輩指導は自分の成長に繋がる

後輩指導は自分の成長に繋がる

 

後輩指導は後輩が成長するだけではなく、指導をする社員自身の成長に繋がります。

後輩指導を任されたら面倒だと思わずに「成長するチャンスだ!」と前向きに受け入れましょう。

 

後輩指導は先輩社員の重要任務

ビジネスにおける後輩指導は、学校や部活と違い“1つの大きな仕事”として後輩を育てなければいけません。


「人財育成」の教科書
→管理職の指導によって大きく変わる人材育成の成果。後輩の能力を責めたりしていませんか?大切なことは先輩の能力であること

実際に医療業界では「プリセプター制度」という先輩看護師が新人看護師に一定期間マンツーマンで指導をしながら、担当患者の看護ケアを新人看護師とともに行うという教育法が取り入れられています。

 

後輩指導はなぜ難しいのか

看護師の後輩指導方法であるプリセプター制度に限らず、後輩指導の方法やポイントが記された本や、後輩指導を担当する社員の為の研修プログラムも多く存在することから、後輩指導は難しい・苦手と考える人が多いことが分かります。

 

なぜ難しいと思うのか。

それは「完璧を目指すから」です。

 

後輩にも伝えたことを完璧に覚えて欲しい、自分自身も完璧な指導を行いたいと考えているから、思い通りにならないことで傷つき、悩み、結果的に“後輩指導は難しい”と苦手意識を持つようになります。

 

後輩の成長は自分の成長

後輩を指導する時に意識することは、「一緒に成長する指導スタイル」を目指すことです。

これは、後輩が成長をすると、同時に自分も成長をしていることを意味します。



↑マネジメントの本質はコーチングです。コーチングスキルを磨いておけばダイバーシティーや大組織でもしっかりと役割を果たすことができます。本物のコーチングを磨くなら

 

できなかったことができるようになった後輩はもちろん成長していますが、できるようになるまで一緒に悩み、根気よく繰り返し指導していた自分自身の「指導スキル」は確実に上がっているでしょう。

後輩と共に成長を喜ぶことで、信頼関係も深まります。

 

後輩と一緒に成長する指導スタイルを習得すると、キャリアアップをしてリーダーや中間管理職に就いた時に部下やチームメンバーを支援しながら目的達成を目指す「サーバントリーダー」として成果を出すことができます。

 

サーバントリーダーについては、以下の記事で詳しく説明しています。

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自分の成長に繋がる4つのポイント

 

後輩の指導をしながら、自分も成長していくためのポイントを紹介します。

 

自分の知識を整理する

後輩に自分の知識や経験、手法をもとに指導をしていくので、自分の指示に従って業務に取り組む後輩を見ることで、自分自身を客観的に見つめ直す機会になります。

自分に足りていない知識に気付いたり、もっと効率的な手法を思いつくことがあるでしょう。

 

後輩に指導することを自分ができているか見直す

業務に慣れてきたり、様々な業務を抱えて忙しくなると、やるべきと分かっていることでも、手を抜いてしまうことがあります。

後輩を指導するうえで、自分ができていないことは後輩に教えられないですし、説得力に欠けます。

「人にはやれと言うけれど、自分はできていない」と後輩から信頼を失う恐れもあるので、日々の自分自身の業務の取り組み方を見直すきっかけになり、成長へと繋がります。

 

指導者としての責任感を身に付ける

指導している後輩がミスをしたら、責任はミスをした本人と指導者にあります。

「ミスをしたのは後輩だから」と思っていては、いつまでたっても成長できません。

後輩のフォローや同じミスを繰り返さないために正しい方向へ導くことで、自ずと責任感が生まれます。


だから僕たちは、組織を変えていける ーやる気に満ちた「やさしいチーム」のつくりかた
☛責任感があってチームワークが良い組織が本当の理想です

同時に、後輩が同じミスを繰り返さないようになると、自信がついてきます。

責任感と自信を身に付けることができる後輩指導は、指導する側にとっても大きな成長に繋がるでしょう。

 

後輩の価値観や視点を吸収し視野を広げる

キャリアを重ねていくと、回りからのアドバイスがなくても業務をこなせるようになってきますが、「このやり方が正しい」という考えが固定化されてしまい、自分を振り返る機会が減ってしまいます。

世代が違う人の価値観や意見を聞くことで、それまで気が付かなかった視点や気付きを得られることがあります。

そして、その気付きを素直に受け止めることが成長に繋がります。

周りの言葉や価値観を素直に受け止める力(=素直力)は人を大きく成長させるので、後輩にも伝えてみてください。

 

素直力については以下の記事で詳しく説明されています。

 

山本五十六から学ぶ後輩指導の方法

大日本帝国海軍軍人の山本五十六の下記の格言を知っていますか。

 

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ

 

太平洋戦争開戦時の際の連合艦隊司令長官を務め、多くの部下を統率してきた山本五十六は、数多くの名言を残していますが、「やってみせ」から始まるこの格言は現代の人材育成や後輩指導の礎になっています。

 

やってみせる

言葉で伝えるだけ、マニュアルを読ませるだけでは指導とはいえません。

まずは、指導者が手本を見せてあげることで、視覚的にインプットすることができます。

 

言って聞かせる

手本を見せるだけでは、どこが重要なポイントなのか、気を付けるべきことは何なのかなどが伝わりにくいので、しっかりと口頭で説明をしましょう。

説明をする時の言い方も、横柄な態度や上から目線ではなく、丁寧にゆっくりと話すことがポイントです。

また、一方的に説明して終わりではなく、後輩がきちんと理解できているのかという点まで確認するのを忘れないようにしてください。

 

やらせてみる

次に後輩に目の前で実践させます。

頭では理解していても、実際にできるとは限りません。

理解を深めるためにも、必ず指導者の見ている前で実践させることが必要です。

できなくても、できるまでやらせることで後輩は成長します。

 

ほめる

「すごい!」とただ褒め言葉を言うのではなく、フィードバックをすることが重要です。

ポイントは“認める(承認する)”ことです。


オーセンティック・コーチング
褒めることがコーチングの第一歩です

例えば、指導した内容の半分しか後輩ができなかったとしても、「ここまでは完璧にできるようになったね」と認めてあげることができます。

認めることを繰り返すことで、後輩は自信を持つようになるので、意欲を持ちながら仕事に取り組むようになります。

 

人を動かす

 

  1. やってみせる
  2. 言って聞かせる
  3. やらせてみる
  4. ほめる

 

このステップを踏んで指導をすると、後輩は指導内容を理解し、向き合ってくれる指導社員への信頼を寄せるようになります。

 

反対に、指導していないことを後輩ができなかった時に叱るのは極めて理不尽であり、信頼関係を崩壊させる恐れがあるので気を付けましょう。

 

まとめ

いかがでしたか。

 

後輩指導は自分の成長に繋がるという考え方と、指導する際のポイントを説明しました。

 

後輩指導を任されるということは、会社から期待されているということです。

自分のビジネス経験値を高めるためにも、苦手意識を克服して後輩指導に取り組んでみてください。

そして、後輩の成長を感じた時は、自分自身も成長していると素直に喜んでみましょう。

 

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