企業の評判を知ることができる『転職会議』という口コミサイトがあります。
転職活動者には必見とされるサイトですが、圧倒的な情報量ながらも度々その信憑性が話題になってきました。
今回は転職会議の信憑性の有無を徹底的に調査した結果を元に、効果的な利用方法をまとめています。
賢いあなたには是非押さえておいて頂きたい、必見の内容です。
＼この記事はこんな人に読まれています／
- 現在転職活動をしている人
- 他の口コミサイトと併用を検討している人
- 自分の会社の評判が気になっている人
『転職会議』について
転職会議は、人材領域のビジネスを得意とする株式会社リブセンスによって運営されています。
同社はバイト斡旋サイトや転職マッチングサイトなど多数の人材関連メディアを手掛けており、人材領域において存在感のある会社です。
『転職会議』は167,500社以上の企業データベースと、128,000件以上の求人を併せ持つ口コミ付き転職サイトというべき特徴を持っています。
一見すると、信頼性と情報量を兼ね備えたサイトに見受けられます。
しかし、インターネット上の評判の中には転職会議に対して肯定的とは言えない意見も散見されます。
いったいなぜでしょうか。
転職会議の信憑性が低いと言われる理由
転職会議は口コミの内容が適当あるいはウソであることが多いため、信憑性が低いと言われることがあります。
自分の働いている会社の口コミが明らかにウソ情報であるという指摘も存在します。
また、転職会議は広告主である企業からの報酬が収益になっています。
そのため、広告主の企業に対する悪い口コミは恣意的に削除されているというウワサもあります。
転職会議の評判としては、実際にこのような情報がネット上に掲載されています。
転職会議では、他人になりすまして口コミを投稿することも、不可能ではありません。
例えば、悪意を持った人が企業をおとしめる意図で嘘を書き込むこともありえるでしょう。
逆にイメージアップのために企業の関係者が自社を絶賛する口コミを投稿することも、ないとは言い切れません。
以前は口コミを投稿するとポイントがもらえたので、当時はポイント目当てに適当な口コミをする人も多かったです。
現在は口コミでポイントの獲得はできないので、ポイント目当ての嘘の口コミはなくなりましたが、古い口コミは注意が必要です。
また、個人を特定されないための対策として、嘘の個人情報を登録する人も多いので、現在も口コミの性別や職種などはフェイクの場合も多いです。
「口コミだけをみる!」と割り切ってサイトを使いたいという人は、現職の企業以外は嘘の情報で登録しても、機能上は問題ありません。
転職会議の悪い評判は、連絡すれば簡単に消せます。
消し方はこうです。
「弊社についての悪評が書かれているが、そういった事実は無い。事実無根の情報で弊社の営業活動を妨害されるのは困る。○○の投稿を削除して頂きたい」
これで消えます。
ポイントは、事実かどうかは、転職会議側にはわからないというところです。
このように必ずしも肯定的とは言えない意見もあります。
以前はポイント制を採用していた時期もあるようです。
ポイント目当ての登録者により、サイト全体の質が落ちることを懸念して廃止したと考えられます。
ここではネガティブな情報をご紹介しましたが、他の口コミサイトでも程度の差はあれど同様の意見は存在します。
そしてその真実を検証することは難しいです。
では転職会議にウソの口コミ登録はできるのでしょうか。
転職会議にウソの口コミを登録することはできるのか？
まず、転職会議で企業の口コミを見るためには、以下の２つの方法があります。
- 職務経歴の登録企業へ口コミを投稿し、口コミパスを獲得する（1つの口コミ登録で39日間見放題）
- 口コミパスを購入する（980円で39日間見放題）
つまり①の方法を利用して口コミを閲覧する場合は、自分の口コミも登録せねばなりません。
転職会議では、無料の会員登録（メールアドレスやfacebookなど）で登録を行った後、現在の就業状況に関する情報を入力していきます。
最終的には登録者の個人情報（名前や住所）と在籍企業名、口コミを登録することになります。
本人を認証するための確認書類（免許証のコピーや保険証の写し）の提示までは求められることはありません。
したがって、使い捨てのメールアドレスを取得して会員登録すれば、残念ながらウソの口コミ情報を登録することは可能です。
しかし他社のサイトも概ね似たような仕組みを採用しており、本人確認までせずとも登録はできるようになっています。
本人確認までユーザーに要求すると、会員登録のハードルが数倍跳ね上がります。
つまり、ベースとなる口コミの情報量が増えないという致命的なデメリットがサイト運営者に生じることになります。
そのため、本人確認までは要求していないと推察されます。
とはいえ、信憑性の高い口コミを集めるために、転職会議のサイトも色々と工夫がされているようです。
いったいどのような工夫がされているのでしょうか。
転職会議にウソの登録をしにくい理由
以前はポイント制などで大量の口コミを集めていた転職会議ですが、現在は口コミ情報の質を高めるべく工夫がされています。
転職会議にウソの登録をしにくい理由をいくつかご紹介します。
その①： 口コミ登録は詳細に行わなければならない
在籍企業の口コミ登録には、自身の経歴を細かく記載する必要があります。
『生年月日』『住所』『最終学歴（大学名）』『現在の年収』『現在就業中の企業名』などを設定をしていきます。
職務経歴情報では、在職の期間や役職・役割、主要な職務内容などを記載する必要があります。
デタラメの情報を入力できるのは逆に器用な人で、多くの人はウソの情報を登録することを断念する可能性があります。
その②： 口コミは150文字以上の登録を要求される
登録する口コミは150文字以上です。
この150文字という文字数ですが、面倒に感じる人は断念してしまう数字です。
1つの口コミに150文字を登録することは、登録する気持ちがある程度強くないと入力できない文字数なのです。
転職会議では1つの口コミを登録しても閲覧期限があるため、継続的に閲覧するためには口コミを追加登録する必要があります。
この仕組みと150文字という絶妙な文字数で、ある程度信憑性の高い情報の収集と公開ができていると言えるでしょう。
その③： 転職会議では口コミ投稿後の削除を受け付けていない
転職会議では一度投稿した口コミの削除は受け付けていません。
そのため、ユーザーが退会しても口コミは残り続けます。
こうした仕組みがユーザーにウソの情報や安易な誹謗中傷をさせない抑止力になっていると考えられます。
その結果、ある程度の信憑性が担保された情報が集まりやすくなります。
転職会議の口コミ/評判は信憑性があるのか
これまで検証した結果から、転職会議はウソの口コミを登録することは比較的難しいサイトであると言えるでしょう。
したがって、本記事では転職会議に掲載されている企業の口コミ/評判は『一定以上の信憑性がある』と結論付けます。
余談ですが、転職会議を運営する株式会社リブセンスは、過去に口コミの掲載内容について損害賠償請求を起こされています。
因みに誹謗中傷の記事を投稿した人物は特定されています。
転職を検討している人向けに、企業の口コミなどを記載しているインターネットサイト「転職会議」上の投稿で、自社や代表者の名誉や信用を毀損（きそん）されたとして、東京都中央区の広告企画・印刷会社の男性代表者が、転職会議を運営する「リブセンス」（品川区）を相手取り、プロバイダ責任制限法に基づき、投稿の削除や今後損害賠償を請求するために必要な投稿者情報の開示、１２０万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が２６日、東京地裁であった。
田中秀幸裁判官は「投稿内容が事実であるとは認められない」として、リブセンスに対し、同社が保有している発信者のメールアドレスの開示と、該当する投稿の削除を命じた。損害賠償請求は棄却した。
上記記事は2017年4月に掲載されています。
この事案で、リブセンス社は転職会議の信頼性を高めるために、これまで以上の対策をしたと考えられます。
従って、本記事では転職会議の口コミで2017年以降の口コミは信憑性がさらに高いと予想します。
転職会議で企業の評判を知るために必要な３つのポイント
続いて、転職会議を利用して信憑性のある企業の評判を知るためのポイントをご紹介致します。
ポイント①： 具体的な口コミは信憑性が高い
抽象的な情報より具体的な口コミに注目してみましょう。
職場にいないと分からないような情報や、数字や事実とともに説明された口コミはリアリティが高く、信憑性があると言えます。
抽象的な情報と具体的な情報とはこのような違いを指します。
【 抽象的な情報の例 】
直帰は認められておらず、夜に帰社してからは延々とテレアポを強制される。
【 具体的な情報の例 】
17時以降に必ず帰社することが義務付けられ、帰社後は50件のテレアポのノルマが終わるまで帰れない。
ノルマが終わって会社を後にするのは、毎日平均23時頃である。
具体的な口コミの件数は限られるため、他サイトからも情報収集することでより信憑性の高い情報を収集できるでしょう。
ポイント②： ネガティブな口コミの割合に注目する
口コミというものは、そもそも個人の感じ方や主観で表現の仕方が相当変わってきます。
また、転職会議のようなサイトに集まる口コミを登録する人は、現在の会社に不満があったり転職を検討している人が大多数です。
そのため、比較的ネガティブな口コミが集まりやすいのです。
しかしながら、統計情報から企業の評判の『傾向』を知ることは可能です。
例えば全体として100件の口コミがあるとします。
その内ネガティブな口コミの割合が10％の企業と60％の企業とではどちらの会社の方がブラック度合いが強いと考えられるでしょうか。
言うまでもなく、ネガティブな口コミが60％を占める企業の方が悪い評判であると考えられます。
このように、全体的な口コミに対するネガティブな口コミの割合を知ることで、その企業の評判の良し悪しは判断できます。
同業他社と割合を比べてみると、その傾向はより顕著になります。
ポイント③： 口コミの文章表現から社風を感じる
企業にはその企業に相応しい従業員が集まっています。
口コミ情報全体を俯瞰してみると、文章で使われている言葉遣いや雰囲気に共通性を感じるはずです。
攻撃的な書き込みが多いのか、穏やかな文章で書かれているのか、など文章から書き手の知性や品性を感じ取ってみて下さい。
保守的な人が多いのか、アクティブな人が多いのかといった雰囲気も垣間見ることができます。
個人の口コミは主観的な内容がほとんどなので、1件1件の口コミが大きく役に立つことはあまりありません。
しかし、口コミ全体を見渡してみることで、その会社がどのような社員で構成されているのか想像することができます。
一方、転職会議では企業の成長性や給与水準、福利厚生などの総合評価チャートを見ることができます。
しかし、採点方法には明確な基準が存在せず、完全に個人の主観でマークされているので当てになりません。
あくまで、口コミ全体から企業の評判を感じ取ってみて下さい。
転職会議の信憑性について まとめ
最後に、転職会議の信憑性と利用方法についてまとめます。
- 転職会議の口コミの信憑性は『ある』
- 転職会議の口コミを利用して企業の評判を知る方法
－ 具体的に内容が記載された口コミを見る
－ 全体的にネガティブな口コミの割合が高い企業は要注意
－ 口コミ全体の雰囲気から社員の質や社風を感じる
信憑性の高い情報を集め、企業研究や転職活動を上手に進めましょう。
